弁護士の気風
弁護士対談
INTERVIEW MEMBERS
-
創業者
弁護士
谷 清司 -
62期
代表弁護士
西村 学
「町弁」でも「企業法務」でもない、夢を描ける、
第三極の法律事務所を知っているか?
-
いろいろな事件をやりたければ町弁になるべきか?
町弁の事件はボスがとってくる。
一人のボスがとってくる事件の数と種類には限界がある。- 西村
- 最近の法科大学院生や修習生と話をしていると、弁護士になったらできるだけ多種多様な事件を扱ってスキルを磨きたいと思うようで、「いろんな事件をやってみたいから町弁になりたい」という人が多いような気がします。
- 谷
- それはどうだろうね。いわゆる町弁は、ボス弁が一人いて、イソ弁が数人と事務員が数人という事務所だから、その中で事件をとってくるのはボス弁だけということが多い。ボス弁が一人でとってくる事件の数には自ずと限界があるよね。
- 西村
- 町弁の収益の柱は一般的にはボスの顧問先でしょうし、顧問先の業種なども、ボスが長年やっていくうちに強い分野が決まってくるからある程度偏りは出てくるようですよね。そうすると、その顧問先で生じる法律問題や、そこから派生する法律問題についても、やはり種類が偏ってしまうのは仕方ないでしょうね。
- 谷
- それに、町弁事務所は、今でも新規のクライアントについて紹介制を維持しているところが多いから、月に何件も新規の相談が来るとは限らない。
- 西村
- そうやって考えてみると、町弁になったからといって、必ずしも「多種多様な事件を数多くこなして経験を積める」、という話にはならないことがわかりますね。
-
大手渉外事務所=勝ち組?
ごく一部の企業法務事務所ではその等式は成り立つ。
しかし、その等式は、一定の条件下でのみ維持される。- 西村
- そういう話をすると、法科大学院生や修習生は、今度は、「じゃあ、企業法務とか大手渉外事務所がいいね」、という話になるんですね。彼らがそれらの事務所に対して抱いているイメージは、「高収入」で「勝ち組」といったところでしょうか。
- 谷
- 最近では、渉外事務所のアソシエイトでもかつてほどの給料を得ることは難しいと言われているね。一部の大手では、1年目からかなりの額を支払っているのは事実だけれど、そのような事務所は、数年勤めてパートナーに昇格できなければ、事務所に残ることすらできなくなるからね。
- 西村
- でも、パートナーになれるのは、ごく一部でしょう?かといって、パートナーになれず一般民事の事務所に就職したり、独立したりしたとしても、長年特定の分野に特化してきたうえに、民事の法廷に十分に立ったことがない人が多いでしょうから、その先どのようなことになるか・・・、かなり厳しいですよね。
- 谷
- そうだね。考えなくてはならないのは、何をもって「勝利」とするのか。それが高収入を得ることなのか、それとも別の何かなのか。
サリュの弁護士が他と比べて高額の給与・報酬を受け取っていることは事実。だけれども、僕たちはそれを「勝利」の十分条件であるとは考えていないよね。
- 西村
- そうですね。私たちの「勝利」がどこにあるか、本気で将来を考えている法科大学院生や修習生たちに、ぜひ知ってもらいたいですね。
-
サリュ=ブラック事務所?
サリュのメンバーは、仲間とその家族の人生を
守るために稼ぐ。
「サリュ ブラック」と検索予測が出るのは、
「ブラック・トライアングル」の反響から。- 谷
- 就活生に問いたいことは、「法律事務所というのは、“町弁”か“企業法務系”の二択しかないと考えていないか?」ということだ。もし、そう思っているのなら、僕たちのような第三極があることを知ってほしい。
- 西村
- 私たちは、ボスがとってくる事件で食べているわけじゃないですからね。かといって、大企業からの莫大な顧問料を収益の柱としているわけでもない。
どちらの手段にも頼ることなく、20人ほどの弁護士と50人以上のスタッフ、そしてその家族の生活を支えるだけの収益を上げ続けているのが特徴です。
- 谷
- 信頼できる仲間と共に組織戦を繰り広げることによって、これを達成していることが強みだね。僕たちには、いくつもの戦略があるけれども、その中核をなすのは、やはりリーガルスタッフシステムだろうね。
- 西村
- そして、この組織戦の過程で、私たちは社会に対しても問題提起を行ってきました。その一つの結実点、もしくは通過点として、谷先生が一冊の書籍を出版した。そのタイトルが、“ブラック・トライアングル”だったのですよね。
予想以上の反響を呼んで、一時期は「サリュ ブラック」と検索候補が出るまでになりましたね(笑)
-
司法試験やロースクールの成績で採用が決まる?
成績が、大きな夢を描く力を測る尺度になるのであれば
そうするだろうが、決してそうではないことを
私たちは知っている。- 西村
- 大手渉外事務所には、高学歴で司法試験やロースクールでの成績が優秀であった弁護士が多いのは事実でしょうね。採用の場で、それが重要な尺度として用いられているでしょうから。
- 谷
- おかしな話だね。僕たちの採用基準に、「学歴」「成績」の文字はない。同じ船に乗り、長い航海を共にする仲間に求めるのは、学歴や成績ではなく、“人柄”だからね。